季節の点心 「十三夜の月見の点心」

■季節の点心-『十三夜の月見の点心』

花見、雪見、そして月見は昔から日本では大切な季節の行事。

月見にも幾つか種類がある中、最も知られているのは、旧暦の八月十五日の中秋の名月ー十五夜の月の月見なのではないでしょうか。しかし明日(10/13)には、もう一つの名月、旧暦九月十三日の月『十三夜』があります。十三夜の月見は、ひと月前の中秋の名月の月見に対し『後の月見』とも呼びます。

ところで、中秋の名月は中国で行われていた行事が日本に伝来した風習ですが、十三夜の月見は日本独特の風習です。またお月見には秋の豊穣の実りに感謝するという意味もありますが、十五夜の頃よりも十三夜のこの時期の方が秋の味覚が豊富とも言えます。

澄んだ空気のもと、美しい月を愛でながら、秋の実りと名残をを楽しむ風情の点心に仕上げました。

【献立と器】

■ 刷毛目の平茶碗には戻り鰹のお造り。

平茶碗 / 唐津刷毛目 西岡 小十

酒器 / 信楽焼 澤 清嗣 作

杯 / 詩文面取筒杯 川瀬 満之 作

■ 松茸の土瓶蒸しは鱧と取り合わせて。

土瓶蒸し / 乾山写し 清水焼

酢橘の小皿 / 白磁輪花小皿 川瀬 竹志 作

■ 季節の旬菜を盛器に合わせて。

日本橋盛器 / 山田平安堂 製

朱杯 / 柳庵 初瀬川 製

料理/器:田邊 昌(SAJIN club主宰、日本伝統食文化協会副代表)

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