代表挨拶

水と緑と太陽の恩恵を受けて育まれてきた日本の食文化。美しい四季それぞれに旬の食材があり、自然を尊重した年中行事とともに、独自の進化を遂げて参りました。

 

一方、我が国の文化は昔から、外来の文化を上手く取り入れ、融合させるという柔軟性を持ち合わせています。それが日本の食文化の発展に大きく寄与してきたとも言えますが、戦後急速に日本に浸透した外来の食文化の台頭により、脈々を受け継がれてきた良き日本の食についての理解も薄れ、また経験しないままでいる人も少なくはありません。

 

また、便利さとの代償に、いのちの現場を知らなくなってしまった私たち。加工品がスーパーマーケットに並んでいる現状からは、食べるということが、何かの命をいただくことなのだという意識が希薄になってしまってきても仕方がないのかもしれません。

 

食事の際の『いただきます』、『ごちそうさま』という言葉には、様々な感謝の気持ちが凝縮されていますが、こういった中にも日本人の物の考え方や食文化が色濃く反映されています。

 

今この時代だからこそ、家庭内での暮らしの伝統、季節の移ろいを楽しむ気持ち、自然への感謝の気持ちを思い出しませんか?古来より日本人の生活と健康を支えてきた知恵と技の数々をもう一度振り返り、これからの時代に新たな創造の世界が広がっていくことを心から願っております。

 

代表理事

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